某日、もつ煮とビールで一杯やりたくなった。ただあまり懐は温かくないし、やらなきゃいけないこともある。

ここはサク飲みと行こう。

サク飲みとは、酒1杯と肴2、3品を小一時間でサクッといただくことだ。

最近、一周回ってお気に入りの上野 大○領支店がお気に入りのため、ここへ行くことにする。

並ぶイメージがあってここ2、3年行っていなかったが、一人で行くと意外とものの数分で席に案内してもらえる。

そして何より料理が美味しい。

店に着くと、平日の夕方ながらまあまあ混んでいる。しかし、ちょうど空いたらしく待つことなく席へ通された。

黄色いおしぼりで手を拭きながら、大瓶を注文する。

生も好きだが、どうしてかここでは大瓶の方が粋な気がして、つい大瓶を頼んでしまう。

大瓶が来てから、もつ煮と桜ユッケ、もつ焼き盛り合わせ塩を注文した。

まずはもつ煮。

日本中の全てのもつ煮を食べたわけではないが、ここのもつ煮は特徴的だ。

煮込み料理でありながら平皿に盛られ、豆腐は大ぶりの塊で出される。

具は馬のもつとこんにゃくだけ。個人的には根菜、特にごぼうが入っていると味に深みが出ると思っているのだが、ここのは、入っていないのにしっかり味に深みがあり、とても美味い。どうやって作っているのだろうか。

今まで食べたもつ煮の中で3本指に入るくらい好きだ。

続いて、桜ユッケ。

これもこの店でのお気に入り。

とにかく美味い。こんなにも生肉ってうまいのかと毎度感動させられる。

軽く調べたところによると、牛と異なり馬は反芻動物ではないため細菌類に汚染されないとか。

タレと卵黄の組み合せも最高だ。タレはコチュジャンをベースにしたいわゆる焼肉のタレ系でこれだけでも美味いのだが、卵黄によりタレの塩味の角が取れ、まろやかになる。細切りのきゅうりも食感に変化をもたらし、小気味いい。最後に大葉も合わせていただく。大葉の清涼感がいいアクセントになる。

そこまで多い量ではないが、非常にバライティーに富んだ楽しみ方ができ、満足感が高い。

最後に、もつ焼き盛り合わせ塩。

左から、わからない、シロ、レバー、カシラ、ハツ。

書きながら自分の勉強不足を嘆いているのだが、わからないものに関しては、美味いことは当然として、シロやコブクロとは異なりカシラに近いような部位だった。皮というか臓器というよりかは肉肉しさがある部位で非常に美味かった。タンではないことは思う。タンの部位によるかもしれないがこの店で過去にいただいたタンは歯ごたえがあったのだが、これは見た目もタンとは思えなかった。

シロについては、やはり食感がいい。個人的にはあまり味の良し悪しがわからないのだが、食感が好きな部位だ。

レバー。しっかり火が通っている。こっちの方が好みだ。以前、名人芸のような火入がされたもはや生のような鳥レバーを食べたことがあるが、美味しさよりもお腹を壊すんじゃないかっていう不安の方が勝って安心して味わえなかった。しっかり火が通っていても美味い。それが美味しいレバーだと思う。

カシラ。もつ焼きの中では食べやすい部位だろう。そもそも臓器ではなくこめかみの筋肉だ。肉肉しくて非常に美味い。個人的には七味がベストマッチする部位だと思う。

ハツ。僕が一番好きな部位。正直これだけでもいいくらいハツが好きだ。噛めば噛むほど旨味が口に広がり、食感も良い。ハツ自体に旨味があるため、塩でシンプルにいただくことでハツ本来のポテンシャルを味わえる。

時計を見ると入店から50分、会計を済ませて店を後にする。

2025年1回目のサク飲み。美味しゅうございました。

合計1950円

大瓶と名物もつ煮でちょうど1,000円。美しさを感じるね。

折笠倫太郎

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